「いけばな」の伝統流派の一つ
である 「古流」は 江戸時代
に神田明神発祥の「いけばな」
であり
「古雅幽玄な風情
を慕う流儀」
という 足利時代のいけばな
(相阿弥の生けた花)を慕って
一志軒今井宗晋が
江戸の町民に広めたもので
「古雅幽玄の流儀」というもの
を 言いやすく「古流」と
縮めたものであります
よく「古い流儀」と勘違いされ
ますが 発祥が古いという観点
からみれば 同じ「いけばな」
の流派である「池坊」の方が
ずっと古い流派です
「古流」の一番の特徴は
武士(男子)のものであった
「教養」としての「花道」を
解り易く また 「秘伝」と
されてきた「技法」を
それまでは 習う事の
出来なかった 武士以外の町民
や「女子」に広く広めたのが
「古流」という流派の特徴です
また 「古流」という流派には
中国の「思想家」である孔子の
教えの「儒学」または「儒教」
の考えが取り入れられています
儒教の教え(後の論語)
とは 「仁」という理念のもと
その「仁」を行う手段として
の行動を「礼」としています
「仁」とは
人を思いやり愛する事であり
「礼」とは その「仁」が
人に見えるように行う行動
や習慣の事です
簡単に要約しますと
「親」や「家族」を大切にして
「友達」と仲良くする
と言う事です
また
皆様もよく ご存じの四字熟語
の「温故知新」という言葉も
この 孔子の教えの「論語」
から来ています
(故)ふるきを(温)たずねて
(温あたためて)新しきを知る
昔のことを研究して、そこから
新しい知識や道理を見つけ出す
という意味ですが
「古流」の 「いけばな」も
その教えに 則り
お稽古で習う「型」には
必ず この教えが
組み込まれています
例えですが もし お稽古中に
「この枝落とした方がいいね」
と言われたとしたら それは
「同じ長さのもの」というのは
「お互いが譲らない」=「争い
のもと」と見えますので
「儒教」の教えの「仲良く」に
反しますので お互いが
引き立つ様に「長短をつける」
=「相手を思いやる」という事
を 「いけばな」を通して
教えています
このように「古流」のいけばな
では 特別な勉強をしなくても
「いけばな」という楽しい趣味
を通して 社会で役に立ち生活
を豊かにする事が出来るお稽古
として 今日に至っています